- 内野手ってたくさん打球をさばいてカッコいい
- 自分にはどのポジションが向いているんだろう?
- 外野からコンバートされたから基本もコツもわからない泣
そんな「内野を守ってみたい」「チーム事情で守ることになった」そこのあなた。
ただ何百本、何千本とノックを受けても上手くなることは難しいうえ、時間がかかりすぎます。
気づいたときには、チームメイトにレギュラーを取られてしまいますよ。
そんなあなたに、小学校4年生(軟式)から高校(硬式)まで野球を続けた私が内野守備の基本とコツを教えます。
もちろん、内野全4ポジションの守備は全て経験してきましたし、社会人になった現在でも野球をプレーしています。
本記事では、内野手の構えから捕球、送球、ポジション毎の連携プレーでの動きの基本について解説していきます。
今回の内容を頭に入れて実践するだけで、速い打球を難なく捕球でき、矢のような送球やゲッツー、バントシフトでの細かい動きができるようになります。
今からお伝えする内容を実践して、鉄壁の内野守備を身につけましょう!
※もしポジション選びで悩んでいる人がいたら、本記事の内容を参考にして挑戦してみてください。
目次
捕球
構え
いい捕球は構えから始まっています。
腰が高かったり、へにゃへにゃの姿勢だと、バッターの放つ打球は捕れません。
ですので、ポジションごとの基本姿勢を覚えましょう。
ファースト、サード

ファーストとサードには、とにかく速い打球が飛んできます。
何回アザができたか覚えていません
速い打球をガッチリ捕球するためには
- 肩幅より広めに足を開く
- 太ももが地面と平行になるくらい腰を落とす
- グローブは地面に着くくらい低い位置に置く
ことが重要です。
セカンド、ショート

セカンド、ショートは広い守備範囲が求められますので、すぐに動ける姿勢を取る必要があります。
そのため、ファースト、サードより腰が高くてOKです。
セカンド、ショートの構えは
- 足は肩幅より少し広めに開く
- 膝裏が120度になるように膝を曲げる
- グローブは膝の高さに置く
ことが大事です。
次は、ゴロ捕球の解説です。
ゴロ捕球
ゴロ捕球と一言で表しても、実際には
- 打球に入る
- グローブを出す
- ステップ
と様々な動作が連動しています。
打球に入ろう
かまえた姿勢をとり、実際に打球が飛んできたら打球に”入って”いきましょう。
ゴロの方向にもよりますが、基本は”右投げなら右側から弧を描いて打球の正面に入ること(左投げは逆)”です。
最初から正面に入るとボールに対しての距離感がつかみづらくなるので、少しズラして打球を見る意識を持つといいでしょう。
ゴロを捕ろう
打球の右(左)から入ったら、いよいよボールを捕りましょう。
ゴロ捕球をするときの姿勢は ”低く” がポイントとなります。
”低い”姿勢で、ボールを下から見るように、股関節と膝は深めに曲げることが大事です。
捕球位置は顔の下か、ややグローブを持つ側の足寄りにすると無理せず送球につなげやすくなります。
グローブは手のひらをボールが来る方向に向け、”立てて”使いましょう。
このバウンドで捕ろう!
どれだけ姿勢が良くても、難しいバウンドで捕ろうとしてはエラーする確率は上がってしまいます。
捕るべきバウンドは二つあって
- 落ちてくるバウンド
- ショートバウンド(地面に着いた瞬間か、地面に着いて跳ねた瞬間)
です。
プロの選手は必ず1と2のバウンドで捕るので、皆さんも真似しましょう。
フライ捕球
バッターが放つ打球は、ゴロばかりではありません。
ピッチャーのボールが強かったり、バッターが打ち損じときはフライも飛んできます。
フライを「ただ落ちてきたものを捕ればいいんでしょ」
という気持ちでは、落下点を誤ったり、捕ったと思ってもグローブからポロッとこぼれてしまいます。
内野手がフライをこぼすと、ピッチャーからすると「取って当たり前」なアウトを取れないことになるため、心理的なダメージがとても大きいですよ。
フライに入ろう
フライへの入り方で抑えて欲しいことは2つあります。
- フライが飛ぶライン(放物線)から落下点を予測する
- 落下点の後ろから入る
ダッシュしてギリギリで捕る場合以外は↑の2つを抑えましょう。
特に、”2.後ろから入る”ことで少し打球が伸びても対応できますよ。
フライを捕る姿勢
打球に入れたら、落ちてくるボールを捕りましょう。

捕るときのコツは
- 腕を曲げて、顔のちょっと上(斜め45度)で捕る
←腕は伸ばしすぎるとボールと衝突するから - 足は片足を前に出す
←フライは予測と違う方に落ちることもあるから - 投げる側の手は添えなくてもいい
です。
送球(スローイング)
いくら打球をガッチリ捕れたとしても、ヘロヘロのボールを投げたり暴投をしてしまっては元も子もありません。
強く、矢のような送球を目指しましょう。
ステップ
打球を捕ったら、強い送球をするためにステップしましょう。
ボールを捕る場所と捕球したときの姿勢にもよりますが、基本は
捕球→右足を左足の前に→左足つま先
を投げる方向に踏み出して投げます。
投げる距離が長くてキツそうなら、
捕球→右足→左足→右足を左足の前に→左足を投げる方向に
と一歩ずつ追加するのもいいでしょう。
握りかえ
強いボールを投げるため、捕球後にボールを握り変えて縫い目に指をかけるのは必須です。
ただし、メチャクチャな握りをしていると、変化球がかかったり明後日の方向にボールが飛んでしまうので正しい握りにしましょう。
正しい握りとはこんな感じです⤵︎

じゃんけんのチョキをつくって、親指と人差し指、中指、薬指の4本でボールを支えます。
コツは
- 人差し指と中指の間は指一本の太さほど空ける
- 親指は第一関節かちょっと上を使ってボールを支える
- 人差し指と中指は縫い目にかける
- 親指は人差し指と中指の間の真下に置く
ことです。
横からも見てみましょう。

人差し指と中指は縫い目にかけていますね。
指を縫い目にかけることによってボールに前進する回転をかけることができるのです。
握り換えを素早く、正確に練習する方法は
こちらをご覧ください⤵︎
強いボールを投げる体の使い方
”矢のような送球”を投げるコツは
- 投げ終わりに顔がショートを向くくらい上体を倒しながら投げる(腹筋を使う)
- 投げ終わった勢いで後ろ歩きでキャッチャーの方に行く
ことです。
肩が強い選手で”背負い投げの意識で投げる”人もいるくらいなので、全身を使って投げましょう!
また、レジースミスベースボールのトレーニングも効果バツグンです。
大学時代野球から遠ざかったのに、これをやったら現役の時と同じくらい遠投できました
動画では、Jバンドという道具を使ってますが、普通のゴムバンド(チューブ)でも代替可能です!
それでも
「どうしても強い送球が投げられない」人は
- 投げる際のステップを増やして距離を短くする
- ワンバウンドで投げる
といった工夫をしてみましょう!
より高みへ行こう〜ランニングスロー・スナップスロー〜
普通のスローで強いボールを投げられるようになったら、プレーの幅を広げ、対応力を上げるためにランニングスローとスナップスローを習得しましょう。
特にセカンド・ショートを守る選手に取っては必須の技術です!
ランニングスロー
ピッチャーの横を通る、高いくゆるいバウンドのゴロが来たらランニングスローの出番です。
普通に捕球してスローーイングでもいいのですが、ランニングスローより時間がかかるため、セーフになる可能性が高まります。
ランニングスローのコツは
- 左足を着地するときにタイミングを探る
- 右足を着地するときにボールを捕る
- 左足を踏み出す
- 体を右に傾けて、両肩を結んだラインを回すイメージで投げる
ことです。
右足でタイミングを探り、左足で捕る方法もあるので、どちらも試してみてください!
スナップスロー
ダブルプレーを取りたい場合、捕球した位置によってはスナップスローを考えてもいいでしょう。
見たままの印象だと、腕だけで投げている印象です。
しかし、ある程度の距離(ショート定位置より1、2歩右)から投げるなら体全体を使う必要があります。
スナップスローのコツは
カウボーイみたいに動く
ことです。
具体的には
- 体を横にひねりながら
- 股関節を前後に動かして
- 投げる方の腕を耳より上で回しながら
- 投げる
ことです。
内野各ポジション毎の動作、連携プレーのポイント
ここまで基礎的な捕球、送球を解説してきましたが、内野手にはまだたくさんの役割があります。
ここからは、内野全4ポジションの
- ダブルプレーを取りたい場面
- バント処理
- 中継プレー
のポイントをザックリお教えします。
各ポジションのダブルプレー、バント処理、中継プレーの詳しいポイントはこちら
ファースト
ダブルプレー
ファーストが参加するダブルプレーは、
- ランナー1塁
- ランナー1、2塁
- ランナー満塁
の3場面です。
ランナー1塁と1、2塁の場面では、打球を捕ったらセカンドに送球します。
自分が送球した位置が1塁ベースから離れているようなら、自分はその場で身をかがめてピッチャーにベースカバーを任せましょう。
もしベースの近くで送球したのなら、ベースカバーに入ろうとするピッチャーを制止して自分で1塁ベースに入りましょう。
ランナー満塁の場面では、得点を阻止するためにホームベースへ送球しましょう。
この場合も、セカンドが1塁ベースにカバーで入ってくれるため、自分はキャッチャーからの送球の邪魔にならないようにかがんでいましょう。
バント処理
大きく分けて二つの場合が考えられます。
その1 ランナー一塁の場合
ランナーが2塁にいるときは、牽制が考えられるのでファーストベースについている必要があります。
そのため、ピッチャーがバッターに投げてからバント処理に向かうことになります。
スタートが遅い分、ピッチャーが捕れずに自分の前に来た場合に打球を捕り、ファーストベースに投げます。
ファーストベースにはセカンドがカバーで入ってくれるので安心して大丈夫です。
その2 ランナー2塁の場面
ランナーが2塁にいるときは、バッターがバントの構えをしたらダッシュで捕りに行きます。
ダッシュに勢いがあると、バッターはプレッシャーを感じて失敗しやすくなるので思いっきり走りましょう。
バントの打球が転がってきたら、基本はサードに投げましょう。
ピッチャー前の打球も捕る勢いでプレーできると”ウマいファースト”ですよ。
中継プレー
ファーストが中継プレーに参加するのは
- ランナー2塁でライト前に打球が飛んだ
- ランナー3塁でライトにフライが飛んだ
場合です。
どちらも、ライトが捕球した位置とホームベースを結んだライン上にいましょう。
セカンド
ダブルプレー
セカンド守備の”醍醐味”といえば”ダブルプレー”です。
ダブルプレーとは、
- ランナーがいる場面で
- 打球が飛んできて
- ランナーとバッターランナーの2人をアウトにする
プレーのことです。
だいたい、セカンドベースで1つ、ファーストベースで1つアウトをとるので、セカンドには必須のプレーです。
セカンドの動きは
- ライト側→捕球してセカンドに投げる
- センター側→捕球できたらセカンドベースにいるショートにトス
- サード、ショート側→セカンドベースに入って送球を受け取る、ファーストに送球する
となります。
バント処理
バント処理は内野手全員が動くため、ベースカバーが必須です。
ベースカバーをしないと
「せっかく打球を捕ったのにファーストベースに誰もいなくて投げられない」
なんてことが起きます。
ランナーがいるベースで場合分けして解説します。
ランナー1塁
サード、ショート側 | セカンドベースに入る |
ファースト側 | ファーストベースに入るor後ろでカバー |
キャッチャー、ピッチャー前 | ファーストベースに入る |
ランナー2塁
サード、ショート側 | ファーストベースに入る |
ファースト側 | ファーストベースに入る |
キャッチャー、ピッチャー側 | ファーストベースに入る |
ベースカバーは
”空いているベースに入る”ことが鉄則です。
中継プレー
中継プレーにおけるセカンドの動きは次のとおりです。
レフト側で外野手の前 | セカンドベースに入る |
ライト側で外野手の前 | 外野手とセカンドベースの間 |
レフト側外野手の頭超え | 2枚目(内野に近い方) |
ライト側外野手の頭越え | 1枚目(外野に近い方) |
ランナーがどこにいるかによっても変わりますが、基本は↑です。
サード
ダブルプレー
サードのダブルプレーは内野手の中でも単純な方です。
ランナー1塁の場合
ランナー1塁の場合は、打球を捕ったらセカンドベースに投げましょう。
セカンドベースに入る人がファーストに送球しやすいよう、ベース上の1塁ベース側に投げてあげると良いでしょう。
ランナー1、2塁の場合
ランナーが詰まっているので、打球を捕ったら自分でサードベースを踏みましょう。
先の塁のランナーを送球無しでアウトにできるためとてもオイシイ打球です。
バント処理
サードがバント処理する場面は基本的に
ランナー1塁、サード側にバントの打球が来た
ときです。
バントの打球が来たら
- 打球の右側から入り
- 捕球したらそのまま2塁に送球
しましょう。
直進で打球に入るとセカンドベースに振り向くのに時間がかかるうえ、送球に勢いが付きません。
必ず
打球の右側
から入りましょう。
また、ランナー2塁の場面はサードに送球がくるため、バント処理はピッチャーに任せ、サードは送球を受けましょう。
中継プレー
基本的にサードは
- ランナー2塁
- レフト前にヒットを打たれた場合に
- レフトとキャッチャーを直線で結んだ場所にいる
ことです。
レフトからの送球が弱かったらカット(捕球)して、キャッチャーに投げましょう。
ランナーが1塁のときはサードベースで送球を待つか、ランナーがベースを踏んだかの確認をします。
そのため、カットプレーには参加しません
※チームの方針にもよります。
ショート
ダブルプレー
ショートとセカンドの見せ場といえばダブルプレーですよね。
特にランナーが1塁にいる場面で一気にアウトを二つ取るのは爽快です。
ダブルプレーにおけるショートの動きは、打球の方向によって違いがあるので、今回の解説で覚えましょう。
三遊間の打球
三遊間に打球が飛んだときは、セカンドにしっかり目のスローイングをしましょう。
スローイングのためにも、打球の質によって捕球の仕方を変えるのがコツです。
- ギリギリ追いつきそうなら、逆シングルで捕球
→右足で踏ん張り2塁へ送球 - 余裕があるなら、正対して捕球
→ステップを入れて2塁へ送球
↑の2点を意識してノックをたくさん受けましょう。
二遊間の打球
二遊間の打球は、セカンドベースとの距離が近づきますよね。
その分、丁寧にセカンドに渡してあげる意識を持つことが大事です。
”丁寧に渡す”
と言うと、動きが硬くなりそうですが、ポイントは
- 捕球した位置から相手にボールを見せながらトスをする
ことです。
見えないところからいきなりボールが出てくるとセカンドは
「どこにトスするんだろう」
と不安になってしまうので、しっかり見せながらトスしましょう。
セカンド、ファースト側の打球
セカンド、ファースト側に打球が飛んだらショートが送球を受けましょう。
送球を受けるには、ベースにべったり着くのではなく、軽く近づくくらいの場所にいましょう。
また、セカンド・ファーストの選手が打球を捕った位置によってベースに入るステップが違います。
セカンド・ファーストが | ショートは |
1、2塁ベースを結ぶ線よりキャッチャー側で捕球したとき | ベースのホーム寄りを左足で踏んでファーストへ送球 |
1、2塁ベースを結ぶ線よりライト側で捕球したとき | ベースのセンター寄りを右足で踏んでファーストへ送球 |
バント処理
ショートの守備位置的に直接バントの打球を処理することはありませんが、その分ベースカバーをしましょう。
ランナー1塁の場合
盗塁も考えられるため、少しだけ2塁ベース寄りにいます(ほんのちょっとでいいです)。
ベースに近い位置にいるので、サード側でもファースト側でも、バントした打球が転がったらセカンドベースに入りましょう。
捕球した野手の送球を捕って、1塁ベースに投げましょう。
ランナー2塁
ランナーに大きいリードを取らせないため、2塁ベースに寄りましょう。
バントの打球が転がったら、バッターランナーが来るのに備えて2塁ベースで構えていましょう。
ランナー1、2塁
守備側からすると、ダブルプレーを取りたいor確実にサードでアウトにしたい場面です。
サードでアウトにできた後、送球が来るかもしれないので、2塁ベースで待っていましょう。
中継プレー
ショートは5つのポジションと接しているだけあって、中継プレーでは大忙しです。
ランナーと打球別に動きを紹介します。
ランナー1塁 | ショートの動き |
レフト側前の打球 | セカンドベースと捕球位置の間で中継 |
ライト側前の打球 | セカンドベース付近でセカンドからの送球を待つ |
レフト側オーバーの打球 | サードベースと捕球位置の間で中継の1枚目 |
ライト側オーバーの打球 | サードベースと捕球位置の間で中継の2枚目(セカンドが1枚目) |
ランナー2塁 | |
レフト側前の打球 | ホームと捕球位置の間で中継 |
ライト側前の打球 | セカンドベース付近で待つ |
レフト側オーバーの打球 | セカンドベースと捕球位置の間で中継 |
ライト側オーバーの打球 | セカンドベース付近で待つ |
ランナー3塁 | |
レフト側前の打球 | セカンドベースと捕球位置の間で中継 |
ライト側前の打球 | セカンドベース付近で待つ |
レフト側オーバーの打球 | セカンドベースと捕球位置の間で中継の1枚目 |
ライト側オーバーの打球 | セカンドベース付近で中継の2枚目(セカンドが1枚目) |
まとめ
内野守備の基本とコツ、連携プレーの動きは次のとおりです。
- ファースト、サードとセカンド、ショートでは構えが違うが、打球の右から入ることは共通。
- 強い送球をするために、ステップと握りかえの練習はもちろん、レジースミスのトレーニングもしよう。
- ランニングスローとスナップスローでアウトを取る方法を増やそう。
- 連携プレーは各ポジション毎に覚えよう。全部やってみると動きが理解しやすいかも
一口に内野と言っても動きが全く違いますが、その分全て経験すると野球に対する理解が深くなります。
読者の皆さんもぜひいろんなポジションを経験してください!