- 「打力を活かして」とファーストにコンバートされたけど、動きがわからない
- ショートバウンドかハーフバウンドか微妙な捕球が難しい
- バント処理とかピックオフとかやること多くない!?
筆者も高校時代にコンバートされて↑こう思いました。
ファースト守備の基礎を知らないと、捕球に集中できずに内野手からの信頼を得られないだけでなく、連携プレーができないため監督からの信頼も得られません。
結局打席を与えてもらえず、自慢の打撃を活かす土俵に立てませんね。
筆者と同じくファースト守備に悩んでいる方に向けて、ファーストの役割や送球の取り方、バント処理や中継、ピックオフプレーなどの連携をうまくやるコツを解説します。
本記事を読んで実践すると
- 悪送球でも捕れる方法がわかる
- ピッチャーや他の野手との連携における動きがわかる
- 自信を持ってバント処理ができる
ようになりますよ。
どんな送球でも捕ることで影のファインプレイ王になり、チームメイトとしっかり連携して内野の守備力向上に貢献しましょう。
目次
ファーストの役割
ファーストはゴロ・フライ捕球はもちろん、他の内野手からの送球を捕り、バント処理やピックオフプレー等の投内連携、外野手との中継と、たくさんの仕事があります。
動く範囲は狭いけど、やるべきこと・覚えることが非常に多いのが特徴です。
まずはファースト守備の中心でもある、送球のキャッチングから解説しましょう。
送球の捕り方
ランナーをファーストでアウトにするには、ランナーがベースに着く前にファーストがボールを持ってベースに触れなければいけません。
しかし打球によっては内野手が崩れた姿勢から投げてくる場合もあるため、シュートやスライダーなど変化がかかったり、バウンドしたりします。
内野手が一生懸命捕ってくれたのですから、どんなボールが来ても捕ってあげましょう。
ファースト送球キャッチングの順序は(右投げの場合)
- 打球が飛ぶ
- ファーストベース近くに行く
- ベースの位置を右足で確認する
- 足をベースから離して投げる人に正対する
- リリースした瞬間に右足でベースを踏み左足を伸ばす
がスタンダードでオススメです。
その中でもファースト送球キャッチングのポイントは
- かまえ
- ベースの踏み方
- ミットの使い方
の3つそれぞれにコツがあるので、解説していきます。
かまえ
野手が打球を捕ったら、送球に備えてかまえましょう。
ただし最初からベースを踏んで待っていると、送球がズレた場合対処できなくなってしまいます。
そのためかまえる際は最初からベースを踏まず、野手に自分の胸を見せ正対しましょう。

ベースの踏み方
ファーストは野手の送球を捕ったら、ベースを踏む必要があります。
しかし意外と分かりづらい動作でもあり、筆者も高校のときファーストにコンバートされて1番最初に苦心しました。
送球を捕りながらベースを踏むコツは
- 守備に入る前に自分が守っている位置とベースの距離(歩数)を把握する
- 他の野手に打球が飛んだら、見ながらベースに入る
- ベースの二塁側を踏む
- 他の野手がボールを捕ったら捕球姿勢で待つ
ことです。
※キャッチャーの動きによってはベースのファウルグランド側を踏んだほうがいいときもあります。
特に、ノックのときから自分が守る位置とベースの距離感をつかむのはとっても大事です。
小学生からプロまで、レベルに関係なくみんなやっていることですので皆さんもやりましょう。
また野手がリリースした瞬間に顔を低くすることで、ボールを下から見れます。
ゴロ捕球と同様、ボールを下から見るとショートバウンドやハーフバウンド、高い悪送球にも対応しやすくなりますよ。
ミットの使い方
どんなボールにも対応できるよう、ミットの使い方も工夫しましょう。
普通のキャッチボールなら、多くの野手は相手の胸に強いボールを投げられます。
しかし、捕球→早急の流れの中だと簡単にいきません。
打球によっては変な体勢で捕ることもあるので、結果送球も半端なバウンドになったりします。
野手の事情をふまえ、どんな送球にも対応できるのが良いファーストと言えますね。
どんな送球にも対応するコツは
- 送球は下から見る
- 基本はノーバウンドかショートバウンドで捕る
- バウンドが合わなそうなら体を動かしてショートバウンドにする
- 送球のラインに合わせてミット(グローブ)を動かす
ことです。
また、最初から体を伸ばして捕ろうとするとバウンドに対応できないので、いい具合に足を送球方向にスライドさせながら捕る意識を持つといいでしょう。
1ポイントアドバイス
ファーストを初めて守る方にとって、足の伸ばし方とミットの使い方は難しいでしょう。
「安定した捕球方法がわからない」場合、最初の内は
体の正面で逆シングル
で捕ることを意識しましょう⤵︎。


本来体の左側に来た送球は、左足を伸ばしシングルハンドで捕ります。
しかし慣れていないと距離感が掴めず後ろにそらすこともあるのです。
慣れなくても送球を体の正面に入れることで
- バウンドを最後まで見やすい(首を無理に曲げなくていい)
- 最悪ボールを体に当てられる
- 腕を前後に使いやすい
ため、大きなミスに発展しづらくなりますよ。
(※慣れてきたら体の左側でシングルキャッチも練習しましょう。)
ショートバウンドが苦手な人は基礎から作り直し
ここまで送球の待ち方、ミットの使い方を説明してきましたが、そもそも
「ショートバウンドが苦手」
な人もいますよね。
特に野球を始めて日が浅い人にとってショートバウンドは、「バウンドした後顔に当たりそうで怖い」と思います。
しかしファースト守備をしていると、ゴロや送球に対応するためショートバウンドで捕る必要があるシーンがほとんどです。
ショートバウンドに苦手意識があるなら、ファースト守備を練習する前に基礎からやり直した方がいいでしょう。
ゴロ捕球&連携
ファーストも野手の1人ですから、ゴロ処理をする必要があります。
しかし打球には変な回転がかかっていたり、塁線を抜けそうな当たりもあるため、場合によっては右手を添えずミットだけで捕ったほうがいいでしょう。
また左バッターの強烈な打球も飛んでくるので、一歩目を速くする必要があります。
- 一歩目が遅いと言われるけどどうして良いかわからない
- プレジャンプしてるのに、逆に遅れてる気がする
- 打球に刺されがち
そんなあなたは抜重ステップを身につけると良いかもしれませんよ。
また、打球が速いとどうしてもアゴが上がってしまいがちですが、
グローブを上から出すことになるため、イレギュラーバウンドに対応しにくいのでやめましょう。
バウンドの下側からボールを見るイメージで構えるといいでしょう。
更にゴロを捕るまでは他の野手と同じですが、捕った後に違いがあります。
他の野手との違いは、捕る位置によって”ピッチャーと連携してアウトをとる”場合があることです。
例えば
- ベースの後ろ側に守っていて、1、2塁間のゴロを捕った
- 自分でベースを踏んでも間に合わなそうだから、ピッチャーにトス
- ピッチャーがボールを持ったままベースを踏んでランナーをアウトにした
という場合があります。
練習を重ねることで「この距離なら自分でアウトにできる」「遠いからピッチャーにトス(送球)してアウトにする」
という感覚がつかめてくるでしょう。
ピッチャーと連携する際、トスする場面が出てきますが、トスのポイントは
- 捕ったボールをミットから出してピッチャーに見せる
- 体ごとトスの方向に持って行く
ことです。
思いやりを持ってトスしましょう。
牽制(けんせい)球を捕ろう(タッチまで)
ファーストの動きをいろいろ解説してきましたが、まだまだあります。
その1つが牽制です。
ランナーのリードが大きいと、ピッチャーは「盗塁されるのではないか?」と心配になります。
さらに、ランナーのことを気にしすぎると「ピッチングに集中できない」状態にもなってしまいます。
そんなわけでランナーのリードを小さくするため、ピッチャーは牽制をするのです。
うまくいけばランナーをアウトにできるプレーでもあるので、ファーストはしっかり捕ってタッチしましょう。
牽制の待ち方は
- ファーストベースのキャッチャー側に右足を置く
- 下半身はセカンドベースの方を向く
- 上半身はピッチャーの方を向く
- グローブ(ミット)を構える
ことです。
ボールを捕ったら、ランナーにタッチしましょう。
ランナーの手とベースが触れる場所にグローブ(ミット)を置くようにタッチするとアウトにする確率が上がりますよ。
バント処理
ランナーがいる場合、もう一つ頭に入れておくことがあります。
それは、バント処理です。
大きく分けて二つの場合が考えられます。
その1 ランナー1塁の場面
ランナーが1塁にいるときは、牽制が考えられるのでファーストベースについている必要があります。
そのため、ピッチャーがバッターに投げてからバント処理に向かうことになります。
スタートが遅い分、ピッチャーが捕れずに自分の前に来た打球を捕り、ファーストベースに投げることになるでしょう。
ファーストベースにはセカンドがカバーで入ってくれるので安心して大丈夫です。
その2 ランナー2塁の場面
ランナーが二塁にいるときは、バッターがバントの構えをしたらダッシュで捕りに行きます。
ダッシュに勢いがあると、バッターはプレッシャーを感じて失敗しやすくなるので思いっきり走りましょう。
バントされた打球に対しては、
- 左側から回り込み、左足の前で捕球し
- 上体を起こさずスナップスローで
- サードベースの内側目がけて
投げます。
ピッチャー前の打球も捕る勢いでプレーできると”ウマいファースト”ですよ。
ピックオフプレー
攻撃において”奇襲”というとバスターなどが思いつきますが、守備における奇襲はピックオフプレーです。
ピックオフプレーとは、ランナーに大きくリードを取らせ、ベースから離れすぎたところで牽制しアウトにするプレーです。
ランナー1塁、ランナー1・2塁の場面に分けて解説します。
ランナー1塁
ランナー1塁ではバッターがバントしそうな場面で使います。
プレーの流れは
- バッターがバントのかまえをする
- ファーストはダッシュでバントを捕りに行く(チャージ)
- ランナーが第2リードを大きく取る
- セカンドがファーストベースに入る
- 投球されたボールをキャッチャーはファーストに投げる
となっています。
ランナーに「ベースに誰も入っていないから大きくリードを取ろう」と思わせましょう。
ランナー1・2塁
ランナー1・2塁ではバッターがヒッティングでもバントでもどちらのかまえをしても使えます。
プレーの流れは
- ファーストはベース(ランナーより)後ろにいる
- ランナーが大きく第2リードを取る
- 投球後、ファーストがベースに入る
- 投球されたボールをキャッチャーがファーストに投げる
です。
チーム内で練習を積み、”ここぞ!”というときにやってみましょう!
中継(カット)プレー
中継プレーでファーストが参加するのは、ランナー2塁でセンター前・ライト前に打球が飛んだ場合です。
打球が飛んだらセカンドが1枚目につくため、ファーストは2枚目として準備しましょう。
またランナーの有無に関わらず、右中間・左中間深くに打球が飛んだらバッターランナーを追ってセカンドベースに入りましょう。
その際バッターランナーがベースを踏んだかどうか確認するのも必須です。
まとめ
ファースト守備で覚えるべきこと、コツは次のとおりです。
- ファーストは打球処理だけでなく、送球処理や投内連携、バント処理、ピックオフ、中継など多忙
- 送球はどんなボールでも捕れ
- 投げる野手に正対してからベースを踏もう
- ミットは送球のラインに沿って動かそう
- シングルの方がゴロ捕球しやすいことも多い
- バントは左側から膨らんで、スナップスローで
- ピックオフでランナーをアウトにしよう
- 中継は基本2枚目
細かいサインプレーなどはありますが、何回でも練習しましょう!
ファーストは見た目と違って、動きが多くて楽しいですよ!