- 野球を始めたばかりで「外野を守ってみて」と言われたけどできるかな?
- チームメイトにポジションを取られて外野に回された。もう後がない。外野でレギュラー取るしかない。
- フライってめっちゃ難しそうだけどなんかコツないの!?
皆さんが外野を守るきっかけは、こんな感じでしょうか。
野球未経験者や内野手から簡単そうに見える外野守備でも、意外と悩む人は多いのです。
そんな外野守備を、やみくもに練習しても打球勘がつかず、捕球もできず、スローイングでも刺せません。
ましてや「カバーリングは練習で覚えていけばいいや」と思っていると、成長速度が遅く、監督から「使えない」認定されます。
そんな「外野を始めたけど壁を感じる」皆さんに、小学校4年生から野球(軟式)を始め、高校(硬式)まで続けた筆者が、外野守備を伝授していきます。
もちろん、外野3ポジション(レフト、センター、ライト)守ってましました。
本記事では、
外野手の基本的な構えからゴロ・フライの捕球、レーザービームを投げるコツ、ポジションごとのカバーリング
の動きまで解説します。
本記事の内容を実践すると
- 「外野を始めて日が浅いのに守備範囲広いね!」と言われたり
- スローイングで得点を防いだり
- 試合中、どこにカバーリングすべきか瞬時に判断できる
ようになります。
外野の基本を抑えたら、チームメイトに差をつけ、ヒーローになれますよ!
ポジションごとのコツを知りたい人はこちら
目次
構え・スタート
構え
外野守備の基本姿勢は
中腰と半身(はんみ)です。
正面から見ると⤵︎の感じです。

内野手に比べて腰が高く、体の向きも違う方を向いていますが、その理由は
- 内野より広い範囲を全力で走る必要がある
- 打球が来るまでに時間があるので、低く構える必要がない
ためです。
スタート
打球が飛んできたら、少しでも早くスタートを切って打球の方向に向かいたいですよね。
しかしただスタートを切っても、守備範囲が狭くなるだけです。
よくある間違いが、”地面に足をつけたままで走り出し”ていること。
その方法では、”静→動”の動作になるため、反応も遅く、足が地面から離れません。
守備範囲が広くなるコツは、打球が飛んだ瞬間に小さくジャンプすることです。

ジャンプから着地し、地面からの反発がのぼってくるタイミングで踏み出せると、力強くスタートできるのでなお良いでしょう。
静→動 ではなく、動→動
で走り出しましょう。
フライの捕球
フライの捕球は、長年外野を守っている人ですら永遠の課題です。
ましてや、外野を始めたばかりだと
「前に行くべきか後ろに行くべきか分からない」
「落下点を間違えて、ボールが自分の後ろに落ちた」
なんてことたくさんあるでしょう。
判断基準
フライが飛んできたとき、落下点が自分の前か後ろか判断するのはとても難しいですよね。
しかし、外野を経験したことがない人でも瞬時に判断できる基準があります。
それが、帽子のツバです。
打球が飛んだ際、
- ボールが帽子のツバより上に行ったら後ろにスタート
- ボールが帽子のツバより下だったら前か様子を見る
と判断できます。
私も、高校時代に”帽子のツバが使える”ことに気づき、守備が楽になったのを覚えています。
勘に頼るのもいいですが、経験がないうちはモノに頼った方がいいですよ!
また打球判断の練習をするなら、ノックだけでなくフリーバッティングや他人の守備機会でも打球を予測していきましょう。
最初の内は落下点を予測して指差すだけでもいい練習になりますよ。
打球への入り
帽子のツバで打球を判断したら、落下点に向かって走りましょう。
走るときに大事なことは”目線をブラさず走ること”と言われますが、私はそれができませんでした笑。
根本的に足が遅かったので、目線をブラさずに走ろうとすると余計遅くなってしまったからです。
そんな私がたどり着いた打球への入り方は
思いっきり短距離走のフォームで走り、5、6歩前からカカトをつけならがら走る
ことです。
打球を捕るときに目線がブレなければいいので、直前に大人しく走ろうということですね。
※足が十分に速い人は最初からカカトをつけながら走るでもいいと思います。
落下点の近くまできても、そのまま入るのは避けましょう。
打球が少し伸びただけで頭を越され、長打になってしまいます。
最悪の事態を避けるため、落下点より2、3歩後ろから入りましょう。
※ギリギリの打球はそのまま入りましょう。
打球のちょっとした変化に対応できますし、捕った後に強いボールを投げられるためオススメです。
捕球体勢
打球が自分の捕れる範囲にきたら、グローブの出番です。
捕球するときのポイントは
- 半身(はんみ)の状態で
- グローブは縦か横にして、顔の上ナナメ45度
- 顔の左側で捕球
- 右手は肩の近くまで上げ、投げる準備をすること
です。
ちょっとステップアップして、目線をブラさないために捕球時にジャンプする人もいる(空中で浮いた状態で捕る)人もいます。
興味があればぜひ試してみましょう。
【上級者向け】背走を練習しよう
外野手である程度フライが捕れるようになったら、後ろの打球に対する守備範囲も広げていきましょう。
そして後方の打球を捕るには背走を身につけましょう。
背走は
- 落下点を予測する
- 打球に対して直線で落下点に入る
など基礎的な技術が詰まっています。
そんな基本に、打球勘や軽やかな切り返しを積み重ねると背走ができるようになりますよ。
「守備範囲を広くしたい!」「守備に安定感が欲しい」方はこちらで背走を習得しましょう。
ゴロ捕球
フライ捕球がわかりやすい外野の難しさではありますが、ゴロ捕球も意外と難しいです。
何も考えずにやっていると、大変な目にあいます。
高校時代、試合でゴロをトンネルしてサヨナラ負けしたことがあります
あのときの監督、コーチ、チームメイトの目は怖かったなぁ。
読者の皆さんにはそんな悲しい思いをしてほしくないので、サヨナラ負けの経験とたくさんの動画研究から編み出したゴロ捕球を教えちゃいます。
外野ゴロ捕球のポイントは
- 捕球したい4、5歩前から打球のラインにグローブをセットしておき
- 打球の上がり際か落ちるバウンドで
- 左足が着地して右足を前に出しているとき
に捕球することです。
特に外野を始めたばかりの人だと、捕る直前でグローブを出しがちなため、グローブを出すよりも先にゴロが通過してしまいます。
ゴロが自分の後ろに行くと、長打確定で最悪ランニングホームランですよね。
最悪の結果を避けるため、捕球したいポイントの前から打球のラインにグローブを入れておくことは大事ですよ。
厳密にはタイプ別で捕球方法が違う!?外野ゴロについてより詳しく知りたい人はこちら
スローイング
外野手ならば、一度は強肩を駆使してレーザービームを投げたいですよね。
今は肩が弱くても、捕ってからのステップを改善し、遠投に適した投げ方を覚えることで改善できます。
さらに投げる筋力を強化するトレーニングを繰り返すことで、強肩を手に入れることができます。
ステップ
捕った後のステップでスローイングが決まるといっても過言ではありません。
「捕った勢いで投げればいいんでしょ」
なんてやってると、永遠に良いボールは投げられないですよ。
強いボールを投げるためのステップのコツは
- 右足を前にして捕球
- 右足着地
- 左足着地&飛ぶ
ことです。
左足で飛ぶことで、走ってきた勢いを無理やり止めることができ、反動を使えるようになります。
さらに空中にいるときに投げるための姿勢を取れるので、強くスローイングできますよ。
遠くに強いボールを投げるフォーム
”遠くに強いボールを投げるフォーム”といっていますが、これまでの経験から、
「これこそがスローイングの基礎中の基礎なんじゃないか?」
と思える内容です。
しかし、日本の野球指導ではこんなこと教えてくれないです。
教えてくれるのは、”肘から上げて投げろ”ってことくらいでしょうか。
私は高校時代にこの理論に全く気づかず、”肘から上げる”理論で投げていました。
おかげで肩が弱くてバカにされてました
読者の皆さんにはそんな悔しい思いをしてほしくないので、特別に伝授します。
遠く、強くボールを投げるためのポイントは
- 犬をなでるように腕を引き
- カカトから蹴り出して体重移動し
- 背負い投げのように全身で投げる
- 投げ終わったあとは左足の隣に落ちている1ドル札を拾うくらい腹筋をたたむ
ことです。
”犬をなでるように腕を引く”ではピンとこない人は、
テークバックで腕を背中側に回さない
意識を持ちましょう!
※犬をなでるように腕を引くことで、スタンダードW⤵︎という形を作ることができます。
その結果、背筋など大きい筋肉を使い”全身で投げる”ことが可能になります。
詳細はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=fmnFXLzRIoI&t=308s
投げ方全体の解説はこちら⤵︎
大人になってから↑の理論でスローイングをしたことにより、高校のときより強いボールを投げられるようになりました。
もっと早く知りたかった。
スローイング強化トレーニング
ここまでは体の使い方を解説してきましたが、もちろん筋力強化も必要です。
しかしボディビルダーがやるような筋トレをやっても、無駄が多すぎます。
今回はスローイング強化、遠投の距離アップに直接影響するトレーニングを紹介しますので、ぜひ鍛えてください。
そのトレーニングとは、レジースミスのトレーニングです。
※私が勝手にそう呼んでいるだけです。
このトレーニングは、投げるための
- 脚の筋肉
- お尻の筋肉
- 腹筋
- 背筋
- 肩の筋肉
全てを鍛えることができるので、週1か2でやることをオススメします。
また、練習や試合前のアップにもなりますので、回数を減らし試してみてください。
コントロール
肩が強くなったら、あとはコントロールを鍛えるだけです。
バックホームなどコンマ何秒のプレーでは、最終的にコントロールがモノをいいます。
送球のコントロールで意識するポイントは
- 手前の中継手を横(左右)の基準とし
- 中継手の頭の上を狙う
ことです。
投げた結果、ボールの勢いが弱ければ中継手がカットしてくれて、ボールに勢いがあるとスルーしてくれるのでアウトにできる確率がグンと上がります。
カバーリング
外野手をしていると避けて通れないのが、カバーリングです。
自分たちの後ろには誰もいないため、余計な進塁・得点を防ぐためにもしっかり覚えて実践しましょう。
レフト
レフトが担当するカバーリングは、ライトとセンターの比じゃないくらい、サボると得点に直結します。
絶対に欠かさないようにしましょう。
内容は⤵︎です。
- ショート・サードゴロ
- セカンド・ファーストの2塁送球
- キャッチャーの3塁送球
- ライトの2塁・3塁送球
どの場合も、
投げてくる野手と捕球する野手の延長線上にいる
ことが大事です。
また隣のポジションに打球が飛んだら、落下点を教えてあげるのも大事ですよ。
センター
センターは多くのポジションと隣接するだけに、カバーも大忙しです。
センターがカバーするのは
- セカンド、ショートの打球
- 2塁送球
(キャッチャー、ファースト、ランダウンプレーのサード) - レフト、ライトの捕球
です。
レフトと同じように、送球する側と捕る側のライン上にいることが重要です。
「打球が飛んだらとりあえず走らないと!」と思いましょう。
ライト
ライトがカバーする場面は
- 内野からのファースト送球
- ファーストけん制
- サード、ショート、レフトからのセカンド送球
- ファースト、セカンドのゴロ、フライ
- センターのゴロ、フライ
と盛りだくさんです。
送球の場合と打球の場合の違いは、
- 送球→送球のライン上で距離を取って待つ
- 打球→打球を捕る人の後ろで待つ
ことです。
また、
フライが飛んだら、捕る人に打球の落下地点を教えることも重要ですよ。
まとめ
外野3ポジションの基本、コツ、役割は次のとおりです。
- 中腰と半身(はんみ)で構えよう
- 帽子のツバで打球を判断しよう
- 打球をを追うときは、捕球の3、4歩前からカカトをつけて走ろう
- フライの捕球は半身で
- ゴロ捕球は右足を前にした状態で
- 肩を強くするには背負い投げ
- レジースミストレーニングで投げるための筋力アップ
- カバーは疲れるけど必須
ポジション別のポイント・コツを知りたい人はこちら
今回紹介した外野の基礎とコツを反復して、試合で活躍しましょう!