- カッコいいけど体をどう動かしていいのか分からない
- 監督、コーチから「まだ早い」って教わらなかったけど、必要な技術だよね
- なんか俺、ランニングスローがダサいんだけど、、、
みなさんのランニングスローに対するイメージ、感想は↑こんな感じでしょうか。
一昔前は「生意気な。正面で股を割って捕れ」と言われていましたが、今となっては必須の技術と認識が変わってきました。
特に相手が俊足の場合、ランニングスローがないと太刀打ちできません。
ということで本記事では、ランニングスローの動作を一歩ずつ丁寧に解説し、ムダのない練習方法もお教えします。
ちなみに筆者は
小学(軟式)〜高校(硬式)まで内外野様々なポジションで9年間野球を続け、その後草野球を3年プレー中です。
本記事の内容を実践していただくと
- ランニングスローに必要なステップ、捕球、スローイングでの体の使い方がわかる
- 習得のためにムダのない練習方法がわかる
- これまでできなかった、微妙にダサかったランニングスローがカッコよくできる
ようになります。
内野手ならぜひ習得して、俊足のランナーをアウトにしたり、今できないことも研究して練習すればできると体感して自信を持ちましょう!
ランニングスローとは、⤵︎この動画の1つ目のプレーのことです。
目次
ランニングスローが必要な理由&場面
ちょっと前まで「ランニングスローするくらいなら正面に入って腰を落として捕れ」なんて言われました。
しかし最近では、ランニングスローは”アウトをとるための合理的な手段”と認識されています。
すごい手のひら返しだね
その理由は
- 緩いゴロで俊足のランナーが相手ならステップする時間がない
- 守備の目的はアウトにすることなので、みんなできた方が良い
ためです。
特にショートに来る、ピッチャー横を通るバウンドの高いゴロを捕り、ファーストに投げる場面ではよく使われます。
(もちろんセカンド、サードも同じような打球で使います。)
以上の理由から、内野手なら全員習得すべきレベルのプレーであると言えるでしょう。
ランニングスローの動作解説
”内野手ならみんなできた方が良い”と言いましたが、実は筆者、高校時代にランニングスローができませんでした。
できる奴のプレーを見たけど、体をどう動かしていたのか理解不能でした。
そう、ランニングスローの難点は、パッと見ただけで動きが理解しにくいことなのです。
しかし当時はランニングスローを解説してくれる動画なんてなく、できるヤツのプレーを動画で撮って解析するなんて発想もありませんでした。
しかし現代は解説動画がたくさんあるため、無事解析・習得できました。
読者の皆さんには同じように大変な思いをして欲しくないので、本記事内でまとめて解説していきます。
ステップの踏み方(間を取る)
内野手にとって普通のゴロ捕球とは、打球の右側から弧を描いて打球に入りその流れで投げることですよね。
しかしランニングスローが必要になる場面は、スピードがない高いバウンドの打球が飛んできたときですので、そんな時間ありません。
そのため、ランニングスローをする場面では直線で打球に入ることになります。
また打球に対しては猪突猛進で入るのではなく、
2、3歩前から「ランニングスローでいくよ」という間をとり
打球に入りましょう。
捕球は左足?右足?
ランニングスローについて
「どっちの足で捕れば良いの?」
ということが疑問になりがちです。
結論から言うと
左右どっちでも良いけど、左足の方がステップが少ない
となります。
投げる際のステップは
- 右→左→右
- 左→右
のどちらかであり、最初はやりやすい方で投げて良いでしょう。
右足で投げる理由は
投げる方向は左側なのに、左足を着いていたら回転の邪魔だから
です。
送球のトップは〇〇を起こさない
捕球できたら投げるためのトップを作りましょう。
右足の着地で投げるため、左足を着いているうちにボールを握り変えてしまうことをオススメします。
トップのコツは
テイクバックを浅くとる
こと。
大きいトップをとると体を回転しづらくなり、ボールがヘロヘロになってしまいますよ。
また、捕ってから体を起こして上から投げる人を見ますが、はっきり言って時間ロスです。
トップを作るとき・作ってからは捕球した体勢より上体を起こさないことが重要となります。

低い位置で捕球したら

上体を起こさずリリースしましょう。

ランニングスローのコツ4点
捕って投げる体勢を作ったら、リリースしましょう。
スローイングのコツは
- 右足が着地しているときに投げる
- 上体を起こさない
- 肩のラインを回すように投げる
- 右腕と左足を体の中心に寄せるように投げる
ことです。
プロや上手い人のプレーを見ると手だけで投げているように見えますが、実はそんなことはなく、スナップスローの延長で投げています。
そのため、股関節や肩、肘を連動させることが重要なのです。
では連動を生むために必要な動きはというと、
両肩のラインを回して投げる
ことです。
肩と肩を結んだラインを回すように投げることで
- 股関節から回しやすくなる
- 肩と肘が一直線になり、肘から先は遅れて出てくる
- 手は最大限加速して振られる
など、メリットがたくさんあります。
リリースのコツ
ランニングスローは他の送球と違い、腕が下から振られて出てきます。
そのため上から投げる感覚でリリースすると、ボールが引っかかりやすくなります。
引っかかりをなくすための意識は
ボールを人差し指の横から滑らせて離す
が良いでしょう。
【コラム】ランニングスローは難しい!?
これまで紹介してきたランニングスローの動作を実践してみて「難しい」と考える方がほとんどなのではないでしょうか?
その理由は、動作自体が複雑なのももちろんですが、やったことがないから・経験したことがないからでもあるからです。
学生のうちは特に、ランニングスローを「難しい」「雑なプレーに見える」からという理由で練習すらしない人が多いですよね。
その理由は、日本の学生に教える指導者がランニングスローに積極的ではなく、「雑なプレー」「確実にアウトを取るためには正面に入れ」と教えているからです。
しかし、勝利のために練習していることはわかりますが、皮肉にも「ミスをしない」練習ばかりしていると大事な場面で予想外の打球が来た時に対処できませんよ。
また上のカテゴリになればなるほど、コンマ何秒を争う世界になるため、小学、中学のうちから、軽くノックを打った打球でいいから動作を経験することが大事なのではないでしょうか?
オススメ練習法
これまで解説したランニングスローの動作を習得するため、オススメの練習方法2つを紹介します。
ツイストクイックスロー
”1000人の子供に野球を教えてきた”で有名な、JBS武蔵さんが考案した練習です。
- 高い位置で捕球
- 低い位置で捕球
の両方を練習できます。
やり方
- 右足で片足立ち
- ボールをトスor転がしてもらう
- 捕ったらボールを耳の横に持ってくる
- 体をひねり、肩を内側に入れる
- 自分の左側に投げる
右膝つきスロー
元横浜ベイスターズの大原氏が紹介した練習方法であり、肩のラインを回して投げる感覚をつかむため最適な練習です。
やり方
- 左足は前、右足を後ろしにして右膝を地面につける
- ボールを転がしてもらう
- 捕る
- ボールを耳の近くに持ってくる
- 下から投げる
肩と肘、肘から先を連動させて投げる感覚が身に付きますよ!
まとめ
本記事でランニングスローについて紹介した内容は以下のとおりです。
- ランニングスローはどのレベルでも必要、アウトにするための合理的な手段
- 専用の間を取り準備
- 左右どちらの足で捕っても良いが、右足で投げる
- 上体を起こさず、肩のラインを回すように投げる
- 習得のためにはツイストクイックスローと右膝付きスローがオススメ
ランニングスローを習得して、”カッコ良く”アウトが取れる選手になりましょう!
【参考】三遊間はできたい〜ジャンピングスロー〜
「ランニングスローとジャンピングスローって名前が似ている」
と思うかもしれませんが、使う場面が違います。
ランニングスロー
- 前方の緩い打球をダッシュして捕り、自分の左前方(ファースト)に投げる
ジャンピングスロー
- ショートにとっての三遊間やサードにとっての三塁線の打球を捕り
- 捕った勢いでジャンプして(ファーストに)投げる
よくメジャーリーグで見るプレーですね。
もしショート・サードを守っていて、
三遊間(三塁線)のギリギリの打球もアウトにしたい
とレベルアップしたいなら、こちらの記事が参考になりますよ。⤵︎